膠芽腫について

初発膠芽腫

あなたやあなたの家族、大切な人が膠芽腫(グリオブラストーマ / GBM)と診断されたら、大変なショックを受けて人生を一瞬でひっくり返されたように感じているかもしれません。それでもどのように治療をしていくか、重要な決断を下さなければなりません。まず何から始めれば良いのでしょうか。

治療法を選択する際に考えること

受けられる治療法について主治医の説明をじっくり聞いてください。その際、以下の項目についての説明を聞き逃さないようにしてください。

  • 初発膠芽腫の治療にはどのようなものがあるのか?
  • それら治療法でどのような成果が期待できるのか?
  • どのような副作用が予想されるのか?
  • 自宅近くの医療機関で治療を受けられるのか、それとも遠方への通院や一時的な転居が必要なのか?
  • 治療を受けることで、仕事や日常生活にどのような影響があるのか?

初発膠芽腫の治療法

初発膠芽腫の治療には以下のような選択肢があります。
現在、初発膠芽腫の標準治療として

  1. 可能な限り手術で腫瘍を摘出
  2. 術後にテモゾロミド抗腫瘍薬の錠剤を併用する放射線治療(約6週間)
  3. 退院後に外来通院で継続するテモゾロミドによる維持化学療法

が確立されています。
これら一連の手術-放射線治療-外来化学療法の治療計画には患者さんの年齢や症状の度合い、腫瘍発育部位などによっていくつかの方法があります。
例えば手術中の光線力学療法、腫瘍摘出部位にカルムスチン徐放剤(ギリアデル®)の留置、放射線治療中にテモゾロミドを加えて他の薬剤を併用、放射線治療終了後のテモゾロミド維持療法と腫瘍治療電場療法の併用などです。
腫瘍治療電場療法は、低強度の交流電場を脳内に発生させ、腫瘍細胞の増殖を阻害する治療法です。テモゾロミドによる維持療法を開始する段階で始めます。

監修:埼玉医科大学 名誉教授 松谷 雅生先生